文化財のこと

市指定有形民俗文化財
藍染絵馬
愛染絵馬の概要
染織関係の絵馬には、天保年間の紺屋の絵馬などが4枚あり、熊谷市の有形民俗文化財に指定されている。その中には、藍場にて7人の男女がそれぞれ違った作業に励んでいる絵馬がある。
糸染めの手順に従い、最初の染めから、絞り、染め、絞りといった各人の仕事の様子を見ることができる。堂内の他の絵馬には、浸染めする人、庭先で商談する人、意匠に工夫をこらす人、屋外で引き染めをする人といった多様な職人の構図が描かれているものがある。(管理場所:実相院)
 

尾高と奉納額
額には「共進 成業 唯賴 冥護」と示されており、藍染業を中心とした業界団体から愛染堂に奉納された額であることが判明した。そして、世界遺産「富岡製糸場」初代工場長・尾高惇忠の号(筆名)である「尾高藍香」の名が確認できる。
(サイズ 横:133cm 縦:79cm 厚み:5cm)
 
愛染堂と渋沢・尾高の関わり
額の願主には、養蚕や藍玉の一大生産地だった現在の深谷市域の地名が見えることから、商売繁盛や業界繁栄の祈願を行っていたことが分かる。その中には、尾高の義弟である渋沢栄一の義弟の市郎や、栄一の伯父で養蚕の改良に力を尽くした渋沢宗助の名前を見ることができ、尾高・渋沢家の人々が現在の市域を越えて交流があったことを明らかにする遺産といえる。
 
熊谷市立江南文化財センター 山下 祐樹